この記事ではモンテッソーリ教育に関するおすすめ本を紹介します。
モンテッソーリ系の本はたくさんありますけど、これは一言で言うとどんな本ですか?
この本をおすすめする理由はたくさんあるんですが、特徴を一言でまとめると、こんな感じです。
モンテッソーリ系の園に通わせるとどんな経験ができるのかをリアルに想像できる本
ほう!
おもしろそうですね!
- タイトル
子どもの才能を伸ばす最高の方法
モンテッソーリメソッド - 著者
堀田はるな/堀田和子 - 出版社による紹介文
東京・原宿で、約45年続く保育施設「モンテッソーリ原宿子供の家」。卒園生が親になり、わが子を通わせるなど、国内の伝統あるモンテッソーリ園の一つです。
この「モンテッソーリ原宿子供の家」教師が、多くの親が知りたい「モンテッソーリ・メソッド」のすべてを、わかりやすく解説します。
・家庭でできる「モンテッソーリ・メソッド」
・モンテッソーリ園で子どもたちがやっていること
・2~6歳の具体的なプログラム
・モンテッソーリ・メソッドで育った元・子どもたちへのアンケート
・モンテッソーリ園に子どもを通わせている親の声
・モンテッソーリ教具の選び方
・モンテッソーリ園の選び方
また、多くの人が高い関心を寄せている、小学校以降の「モンテッソーリ・メソッド」について、触れているのも特徴です。わが子の才能を伸ばし「育ちを支える」、さまざまなヒントが満載です。
著者はどんな人?
この本の著者である堀田はるなさんは、現在原宿にあるモンテッソーリ原宿子供の家(1973年開設)で教師を務められている方です。
ちなみに、「子供の家(こどもの家)」はモンテッソーリ教育を行う園に使われる名称ですが、モンテッソーリ教育の生みの親であるマリア・モンテッソーリが開設した "Casa dei bambini(カーサデバンビーニ)" が元になっています。
モンテッソーリ原宿子供の家を開設されたのは、著者の堀田はるなさんのご主人のお母様にあたる堀田和子さんです。
堀田和子さんは現在、「モンテッソーリ原宿子供の家」と横浜市にある「モンテッソーリすみれが丘子供の家」の園長を務められています。
さて、著者の堀田はるなさんですが、モンテッソーリ教育の世界と関わるようになったのは、意外にも少し遅めだったようです。
社会人になってからは、有名なグローバル企業などに務められていた著者は、ビジネスの場で求められる「発想力」「問題解決能力」「プロジェクト管理能力」などのスキルと照らし合わせた時に、「モンテッソーリ教育こそ、子どものころに受けておきたかった教育」と知ったそうです。
その後キャリアを変更し、モンテッソーリ教師への道を選ばれた堀田はるなさんが書かれた本だからこそ、モンテッソーリ教育の偉大さを語る文章にもリアルさが詰まっていると感じます。
この本の特徴は?
モンテッソーリ教育関連の書籍を読んでも、いまいちよくわからないのが「子供の家での子供のようす」だと感じます。
たとえば、
- どんな教具を使うの?
- 教師と園児の関わり方はどんな感じ?
- 他の園児と関わり方は?
などは、インターネットで調べても深く知ることはできません。
その点で、わたしが考えるこの本の特徴のひとつは、「子供の家に自分の子どもを通わせたときのイメージが具体的になる」ことだと思います。
たとえば、教具については、どんなものを使うかということだけでなく、どのような考えで設計されているか、その日に使う道具はどのように決まるのかなど。
教師と園児の関わり方については、教具を使う時間の教師のスタンスなども知ることができます。
また、他の園児との関わり方については、縦割りという特徴がもたらしてくれるものについて。
それ以外にも紹介しきれませんが、モンテッソーリ教育が子どもたちの未来にとってどのように意味を持つのかなど、多角的に、かつバランスよく説明されている一冊だと思います。
モンテッソーリ教具を使った園の活動はどんな感じなの?
それでは上記で書いたこの本の特徴について、教具の部分を例として少し具体的に紹介したいと思います。
モンテッソーリ教育では、「お仕事」という、モンテッソーリ教具を使った活動を行う時間が存在しますが、「どんな教材が使われているか」についての情報はインターネットなどで簡単に見つけられるものの、その興味深い仕組みについて書かれている情報は少ないように感じます。
たとえば、子供の家にはたくさんの教具が用意されていますが、どの教具も教室には「ひとつだけ」しかありません。
そのため、みんなが同じものを、同時に使うことはできません。
その中で子どもたちは、「待ったり、譲ったりする必要」について身につけ、他者との関わり方を学んでいくという仕組みになっています。
これは子供の家という環境が、様々な仕掛けを持つことの一例ですが、この本にはこのように「どんな目的やねらいを持って園の活動が設計されているか」という部分についてとても詳しく知ることができる内容がたくさんあります。
「人と同じで安心」という感性は存在しない
わたしがこの本の中で特に「ああ、それこそが子供の家に通わせる価値だなあ」と思った記述がありました。
それは、「子どもが育つ環境を整える」というパートの中に書かれていた、「同じ教室で同じ年齢の子どもたちが同じ活動を一斉に行っている姿はある意味特殊な環境です」という一文です。
モンテッソーリ教育に関する本をたくさん読んできたわたしも、ごく普通の幼稚園に対してこのような意識は持ち合わせていませんでしたが、この本を読んでとても納得させられました。
著者は、
「進む方向性や正解がひとつに決まっている環境に長く身を置けば、人と同じ答えに安心感を覚えるのも不思議ではない。でも社会において同じような状況がどれだけあるだろうか」
と書かれていて、ビジネスの世界を渡り歩いて来た著者だからこそ書けるシンプルに本質を突いた表現だと思いました。
たしかに子供の家では、子どもが自分の関心や感性にしたがって行動をすることが奨励されています。
そんな環境の中で子どもたちは「人と同じである必要はない」ことを学び、そして他人の個性を尊重することを自然と身に着けていくのだと改めて認識させられました。
モンテッソーリ教育のメリットはたくさんありますが、個人的にはこの点はとても大きな要素だと感じます。
おわりに
モンテッソーリ教育に関する本はたくさんありますし、このサイトでも紹介していますが、「子供の家に通わせてみようかな」と考えられている方には特におすすめしたい一冊です。
それ以外にも、「子供の家の教師たちがどのような考えで子供と接するようにしているか」についても詳しく知ることができます。
これはそのまま、「親であるわたしたちがどのように子供と接するべきか」のヒントとして大変参考になるはずです。
この記事を読んでくれた方が、この本を通じてモンテッソーリ教育への関心を膨らませていただけると大変うれしいです。
- タイトル
子どもの才能を伸ばす最高の方法
モンテッソーリメソッド - 著者
堀田はるな/堀田和子 - 出版社による紹介文
東京・原宿で、約45年続く保育施設「モンテッソーリ原宿子供の家」。卒園生が親になり、わが子を通わせるなど、国内の伝統あるモンテッソーリ園の一つです。
この「モンテッソーリ原宿子供の家」教師が、多くの親が知りたい「モンテッソーリ・メソッド」のすべてを、わかりやすく解説します。
・家庭でできる「モンテッソーリ・メソッド」
・モンテッソーリ園で子どもたちがやっていること
・2~6歳の具体的なプログラム
・モンテッソーリ・メソッドで育った元・子どもたちへのアンケート
・モンテッソーリ園に子どもを通わせている親の声
・モンテッソーリ教具の選び方
・モンテッソーリ園の選び方
また、多くの人が高い関心を寄せている、小学校以降の「モンテッソーリ・メソッド」について、触れているのも特徴です。わが子の才能を伸ばし「育ちを支える」、さまざまなヒントが満載です。