親子の関わり方

【おすすめ子育て本】生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て

愛着の子育て 紹介記事タイトル画像

今回は「愛着」という言葉がキーワードである、「生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て」を紹介します。

Toshi

「愛着」っていう言葉の意味、なんとなく理解してる気がするけどうまく説明できないですね。

子育てにおいては、「子どもが特定の他者に対して持つ情愛的な絆」といった意味になるようですね。

この本の特長をひとことでまとめると・・・

Toshi

わが子が幸せに生きるための土台を築くために必要な愛着づくりについて教えてくれる本


生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て 表紙
  • タイトル
    生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て
  • 著者
    ダニエル・J・シーゲル
  • 出版社による紹介文

    愛着形成の土台があれば子は幸せになれる
    話題の「愛着形成(障害)」を軸に、子どもの脳と精神面の土台作りがいかに重要か、具体例と科学的根拠をもとに伝授する画期的な本。『「自己肯定感」を高める子育て』著者最新作!

    第1章 子どもに必要な生き抜く力ーー愛着
    ・第2章 愛着を育める親、育めない親 その分かれ道はどこに?
    第3章 愛着を育む土台➀安全であることーーほとんどの親は子どもを怖がらせてしまう
    第4章 愛着を育む土台⓶見守られていることーー恥をかかせると子どもは親に「心を閉ざす」
    第5章 愛着を育む土台➂なだめられていることーーキレた子どもを落ち着かせる
    ・第6章 愛着を育む土台⓸安心していることーー信じられる親、不安にさせる親

    科学に裏打ちされた「愛着」を育む方法とは?

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愛着とは?愛着の方法とは?

「安心して。『ちゃんとした親』など、どこにもいない」

そんなメッセージから始まるこの本のテーマは「愛着」です。

「子どもにどう対応していいかわからなくなっても、心配しなくていい。いつだってできることがひとつある。それは『子どもに寄り添うこと』」

日々悩みながら子育てをしている親にとっては、とても救われるような言葉ですが、では「寄り添う」とは具体的に何をすれば良いのでしょうか。

この本では、「愛着の子育ての目標」として「4つの『S』」について説明しています。

  • Safe(安全であること)
  • Seen(見守られていること)
  • Soothed(なだめられていること)
  • Secure(安心していること)

これらの4つの「S」はお互いにつながっていて、これらが満たされた子どもは、自己肯定感を持って世界と接し、新しい機会や挑戦に向かっていくことができるそうです。

また、社会的な交流も得意であり、まわりの人と協力したり、人の気持を想像できるそうです。

本書には、それぞれの「S」についての詳しい説明と、どのようにそれらを育んでいけるかについて書かれています。

たとえば、2番目のSである「Seen(見守られていること)」。

ポジティブな感情も、ネガティブな感情も、どちらにも親が注意を払ってくれていて、一緒に喜んだり悲しんでくれると子どもが理解することで、子ども自身が「外面的な行動だけで判断されずに、心のなかで起こっていることを感じてもらえる」と感じることができることで、子どもは深い安心感を築いていくことができる、と書かれています。

「見守られている」と子どもに感じてもらうには

この本の中の、「愛着を育む土台②見守られていること<Seen>」には、「見守られている」と子どもが感じられる方法のひとつとして、「夜寝る前の子どもとの対話」について書かれています。

その中で、「確かにそうだなあ」と感じたのが以下の一節です。

家が静まり返り、体に疲れを感じ、気を散らすものが徐々に減り、肩の力が抜ける1日の終わりには、独特の雰囲気がある。

自分の考えや記憶、恐れや望みを誰かと分かち合いたい気持ちになるのだ。

子どもにも同じことがいえる。

じっと身を落ち着けると、質問や感想、不思議なことや思いつきが浮かんでくることがある。

特に、あなたが急かしたりせず、そばに寄り添っているときには。

「今日はどうだった?」という質問だけでは子どもはスラスラと話してくれるとは限らないけれど、もっと良い質問をするためのアドバイスもこの本には書かれています。

でも、この本を読んでいて思ったのは、「今日はどうだった?」の質問に対する答えが「まあまあ」だったとしても、親が寝る前の時間に子どもと対話をする姿勢があるということが子どもに伝わることだけでも、子どもに対する重要なメッセージになるんじゃないかな、ということです。

そして、子どもに寄り添うためにどんな質問の仕方をするか、どんな会話をするかを試行錯誤するということ自体がとても大切なプロセスに感じます。

子どもの感情の3つのゾーン

本書の中でとても感心したのが、「感情の3つのゾーン」についての説明でした。

4つの「S」のひとつである、「Soothed(なだめられていること)」に関する章の中で紹介されていた内容なのですが、子どもが落ち着いた状態でいられる「グリーン・ゾーン」を中心として、感情が高ぶった状態にある「レッド・ゾーン」、硬直したり引きこもったりした状態である「ブルー・ゾーン」という3つのゾーンに分けて考えるということが書かれています。

どういうことかと言うと、たとえば子どもがレッド・ゾーンやブルー・ゾーンに入ってしまった時に、親がすべきことは、「子どもとのつながりをつくってグリーン・ゾーンに戻れるようにしてあげること」だと言うことなのです。

そのような状況のたとえとして紹介されているものが、「『冷蔵庫の中にに入って明かりが消えるか見てみたい』と言う幼稚園児の娘」です。

あなたは娘に、明かりを消すボタンを押してみせるが、娘はどうしても中から見たいと言って聞かない。

あなたは許さず、共感を示しつつやめさせようとするが子どもが大騒ぎしてレッド・ゾーンに入ってしまう。

こういったシチュエーションに対して、かんしゃくを無視するという方法ではなく、どのようにしてグリーン・ゾーンに戻れるようにしてあげるか、といった内容が書かれています。

「グリーン・ゾーン」に戻るための手助けには、色んな方法がありますが、親としてこのゾーンのイメージを頭に置いて子どもと接することは、親にとっても良いことのように思います。

おわりに

本書の中で、表現を変えながら著者が何度も繰り返している言葉があります。

  • 完璧な親などどこにもいない
  • スーパーペアレントになろうとしなくていい
  • 子育ての聖人レベルまで上り詰めなければ、というプレッシャーを感じる必要はない

この本は「愛着をつくる方法」について書かれた本ですが、100%の時間理想の接し方をしなければならないということではなく、失敗しながらも子どもに寄り添って、試行錯誤することを勧めている本です。

著者は、「愛着はヘルメットの役割を果たす」と書いています。

ヘルメットをかぶっていても事故は防げないが、転んだときのダメージは大きく変わる。

確かな愛着を養った子どもでも、人生における苦痛やショックを回避できるわけではないけれど、うまく立ち直るためのヘルメットがあるからこそ、乗り越えていけると。

そんなヘルメットを子どもに与えてあげられる方法を教えてくれる、素晴らしい一冊だと思います。

生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て 表紙
  • タイトル
    生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て
  • 著者
    ダニエル・J・シーゲル
  • 出版社による紹介文

    愛着形成の土台があれば子は幸せになれる
    話題の「愛着形成(障害)」を軸に、子どもの脳と精神面の土台作りがいかに重要か、具体例と科学的根拠をもとに伝授する画期的な本。『「自己肯定感」を高める子育て』著者最新作!

    第1章 子どもに必要な生き抜く力ーー愛着
    ・第2章 愛着を育める親、育めない親 その分かれ道はどこに?
    第3章 愛着を育む土台➀安全であることーーほとんどの親は子どもを怖がらせてしまう
    第4章 愛着を育む土台⓶見守られていることーー恥をかかせると子どもは親に「心を閉ざす」
    第5章 愛着を育む土台➂なだめられていることーーキレた子どもを落ち着かせる
    ・第6章 愛着を育む土台⓸安心していることーー信じられる親、不安にさせる親

    科学に裏打ちされた「愛着」を育む方法とは?

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  • この記事を書いた人

Toshi

横浜市在住。普段は業務改善・問題解決を専門とする人。2児の父。
モンテッソーリ教育を受ける我が子を観察しつつ育児の参考になる書籍を年間50冊読み独自に分析。
世の中のパパ・ママが「子育てのこんなこと知りたい」と思った時にすぐ情報に辿りつける仕組みがあればいいのに、と思ったのがこのサイトのはじまり。

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