はじめに
今回は、スマホなどのデジタルデバイスを子どもに使わせることのメリットやデメリットを教えてくれる本を紹介します。
- タイトル
賢い子はスマホで何をしているのか - 著者
石戸奈々子 - 発売日
2021/7/9 - 出版社による紹介文
「スマホに子守りをさせないで」――
2021年からプログラミング教育が必修化されたものの、それでも子育ての現場は、旧来の価値観が依然、根強く残り、子どもがスマホやタブレットに触れることを一切よしとしない風潮もあります。
しかし、誰しもがデジタルデバイスと付き合う時代、はたして、その価値観のままで本当にいいのでしょうか?
幼い頃からデジタルに親しむことで拓かれる創造性は、AIとともに働く未来を生きる子供たちにとって、決して無視できないものとなりつつあります。
MITメディアラボの客員研究員を経て2002年よりNPOを立ち上げ、日本のデジタル教育を先導してきた社会起業家が子どもとデバイスの正しい付き合い方について考えます。
まずは、この本を読んでほしい人について以下にまとめたので、知りたいこととマッチするかチェックしてみてください。
こんな人に読んでほしい
- 子どもにスマホを使わせることに抵抗や罪悪感を感じる人
- プログラミング必修化など、子どもの学習環境のデジタル化に対して漠然とした不安をおぼえる人
- スマホなどのデジタルデバイスは、どんな使わせ方なら良いのか知りたい人
確かにスマホって、育児を怠ってしまっているのか不安になるときがあります。
スマホに限らず、どう使うかが大切ですよね。そのあたりこの本に詳しく書かれているので以下で紹介していきますね。
どうしておすすめなの?
①子どもにスマホを使わせることに抵抗や罪悪感を感じる人
「スマホを子どもに持たせて大丈夫か?」というような保護者からの質問が多い、と著者の石戸さんはこの本の冒頭で書かれています。
そのような不安を感じる親が多い理由として、著者は、世の中が「スマホより絵本」、「スマホより外遊び」のように、スマホと何かを対立させるような印象をもたせる論調に溢れていることなどを説明しています。
著者はこの本の中で、「どうやってリスクを極限まで減らし、スマホのようなデジタルデバイスがもたらす効果を最大化するか」について、実際の教育現場の例を紹介しながら説明しています。スマホが教育現場に与える効果を知ることで、どんなつきあい方をすれば良いかを理解できるのがこの本の特長のひとつです。
②プログラミング必修化など、子どもの学習環境のデジタル化に対して不安を感じる人
この本のもうひとつの特長は、「近年のデジタル化の中で教育現場に今どんなことが起きているのか」を知ることができることです。
著者の石戸さんは、「コンピューターを教育の現場に取り入れることにより、どのように子どもたちの学習意欲を引き出せるか」というテーマに長年取り組まれてこられた方です。その著者が、これまでに色々な試みを行う中で得られた知見を紹介されています。
印象的だったのは、プログラミング学習の中でテニスゲームを作っていた小学生が、どうしてもボールのリアルな起動を細かく描きたいという欲求から中学で習うような数学の勉強を始めた、という話です。実現したいことやものが先にあり、それを達成するための手段として自主的に学ぶという理想的な姿ですね。
③スマホなどのデジタルデバイスは、どんな使わせ方なら良いのか知りたい人
スマホやタブレットを活用することで、なぜ子どもたちが「自分が知りたいこと、学びたいこと」を主体的に見つけられる可能性が高くなるのか、それはこの本を読むとよくわかると思います。
とはいえ過度の依存になってしまわないか、など親の立場では心配な部分もあると思います。実際、「どのくらいの時間使わせていいのか」「危険ではないか」といった質問も多いそうです。これに関して著者は、一概に決められないとした上で「スマホが外遊び・スポーツ・友だちや親との会話など、その子にとって楽しいことのひとつに過ぎないという状態になることが望ましい」と書かれています。
また、使用時間を論じる前に、「デジタル技術を使って子どもが何をしようとしているのか」を知ることが大切といったことも著者のメッセージとして重要な部分だと思います。
まとめ
デジタルが持つ力の素晴らしさのひとつは、子どもの興味を引き出すことや、効率よく興味を掘り下げていくことができるところだと思いました。また、プログラミングといっても黙々とひとりで作業をやるのではなく、友だち同士でアイデアを発展させていったり、チームの中で異なる個性を活かしながら何かを作り上げていくなど、子どもたちにとっては刺激の多いものになっていることもよくわかりました。
これだけの価値をもつものを使わないという選択肢はないからこそ、必要以上に恐れるのではなく、「どう使うか」を考える必要があるのですね。
- タイトル
賢い子はスマホで何をしているのか - 著者
石戸奈々子 - 発売日
2021/7/9 - 出版社による紹介文
「スマホに子守りをさせないで」――
2021年からプログラミング教育が必修化されたものの、それでも子育ての現場は、旧来の価値観が依然、根強く残り、子どもがスマホやタブレットに触れることを一切よしとしない風潮もあります。
しかし、誰しもがデジタルデバイスと付き合う時代、はたして、その価値観のままで本当にいいのでしょうか?
幼い頃からデジタルに親しむことで拓かれる創造性は、AIとともに働く未来を生きる子供たちにとって、決して無視できないものとなりつつあります。
MITメディアラボの客員研究員を経て2002年よりNPOを立ち上げ、日本のデジタル教育を先導してきた社会起業家が子どもとデバイスの正しい付き合い方について考えます。